罪責・懺悔・反省

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2018年1月に河村敬一様が『罪責・懺悔・反省』を自費出版されました。

定価  

サイズ A5
製本タイプ ソフトカバー
発行年月日 2018年01月20日 
ページ数 188
著者 河村敬一
ISBNコード 978-4-86431-639-2

著者の声

罪責・懺悔・反省

著者 河村敬一 様

「拙著の刊行に思うこと」
この度,拙著『罪責・懺悔・反省』を刊行するに当たって,一粒書房(一粒社)のご厚意でもって刊行することができたことを感謝したい。
私は,すでに多少ではあるが,自らの問題とする視点を忘れることなく文章を書き出版してきた。その思いは,大学の時に,指導教授から著書を出すことは恐ろしい,とも言えることを聞いたからである。指導教授の戦前に出版された本には,翻訳ではあっても解説には何ページにもわたり,削除されていた(検閲か?)からで,しかも指導を受けた際には著書に対する責任の重さを何度も聞かされていたからである。しかし,私は,著書を持ちたいとの思いからか,幾冊かの著書を発表せざるを得なかった。指導教授との違いは,私自身が生きた上での思いとともに,どうしても一つの主張を僭越ではあっても述べておきたいからであった。
今日,著書を出すことはそれほど難しい時代ではない。書店に行けば,多くの書物が並び,高度情報社会であるからこそ夥しいほどの書物がいやがうえにも出版されている。このことは情報社会の賜物であるが,けっして安穏とした状況ではない。グーテンベルク以来,印刷という技術が進化したからこそ,自らの思いを表現することができたのではないだろうか。今日までに多くの書物が世に問われているものの,現代はあまりにも多い書物が次から次へと出版されている。
しかし,自らの人生で感動を得,しかも自らの思いを伝えた書物はそれほど多いものではないのではなかろうか。というのも,情報としての書物,しかも特権的とも言える人々だけが本を刊行してよいのであろうか。今までに出版された本,そしてこれから出版されるであろう本の洪水の中で,自らの主張や思いを伝えるような書物は必要である。紙媒体である本の行く末を思うと,自らの主張をなすべきものは,ただ単なる出版のため,いわば売れるから出すというような商業出版だけではなく,自らの主張をなす出版こそが重要と考える。一般に流布しているような書物だけが本として重要なのであろうか。
その一端から私自身の書斎について言えば,読むことの楽しみとともに,多くの書物に囲まれている中で,古くは16・17・18世紀などの西洋の古典籍があるが,これらは今までに多くの人々によって支えられた古典である。しかし,これらの価値は古典という書物だけでなく,自らが記した書物があって,よい時代に私たちは生きているのである。してみると,自分が生きた証拠をこの世に残すことができる時代があるということになる。私自身がそうであるとは言えないものの,人は生きてこの世にいる限り,自らの足跡を大切にする必要がある。文章を書くなどできないと言う人がいるかもしれないが,自らの思いを認めることは,誰にでもできるのである。文章は思いの外,湧いてくるものであって,何ら躊躇することなく,自らの心の赴くまま,それを文字とすべきではないだろうか。現代だからこそ,一人ひとりが生きた証を著わすことができる時代であると感じている。有名な出版社から著書を出版したから偉いのではなく,自らが信じ,そして伝えたいものを出す決心が大切なのであって,躊躇してはいられないのではないか。
そのような思いは,著書を出版したいとすれば,やはりそこは単に商業出版に頼ることをしない方がよいだろう。思い切って自らの主張を展開できる出版を心掛けてはどうだろう。この世に生きる時間はそれほど多くはないのであって,後の世のひとのためにも,現代だからこそ自らの思いを残すべきだと考える。
先述のように,指導教授のように恐れることはないような時代に,私たちは生きているのである。となれば,自らの思い・感動・研究などを自らのもにするために,是非とも生きた証として残すことができれば幸いであると言える。
このうよな思いもあって,今回,思い切って著書の出版に踏み切ったのである。では,どのような出版社にまかせればよいのか。今までに出版できた著書は,その多くが知り合いか,知人を介してか,さらには縁故によるものがほとんどであった。特に,主著の一つとも言えるものを,ある求めに応じて出版した。その本は,仲間内に配布したがそれはそれでよかった思っている。著書を持ったとしても,ベストセラーになる必要は毛頭ないのであって,自らの生きた証とともに,自らの思いや考えを載せた内容そのものが大事なのであり,望むことはほんの少しの人々に伝える思いが重要ではないだろうか。
このような思いから,この度,一粒書房(一粒社)のお世話になったしだいである。ネットで検索しながらも,できれば安価で立派な本を仕上げてくれるところを探してみたのが始まりで,この度,その思いが十分に果たせたと言えよう。著書を持つ私からすれば,何と贅沢な悩みと言われるかもしれないが,それこそ出来栄えが見事な著書を一粒書房は果たしてくれたと思っている。ネット検索すると,多くの自費出版の扱いをしてくれる出版社なりを目にすることは可能である。しかしながら,本当に満足するに足るものを出すことができるだろうか。私は,当初,疑いながらもネットで自らの仕様を問い合わせたところご丁寧にも返信をいただき,多くの助言を一粒社の絹川周作氏に賜った。しかも,ネットでの連絡と,一度の電話連絡のみであり,後はメールでの遣り取りだけで出版に漕ぎつけたのである。パソコンを使用することができる人は,是非ともそれを活用し,自らの原稿をワードなりのデータに仕上げておけば,後は簡単である。そのデータを基に一粒書房は,いとも簡単にそれを書籍化する体裁に整えてくれるとともに,仕様体裁すべてが簡単にできるのである。今日の高度情報社会であるからこそ可能であると言えるが,それを可能にすることの思いとともに,十分な手応えを与えていただいたことに感謝するしだいである。
私は,2018年3月末で現在の仕事の一応の節目を迎えるため,2017年9月上旬であったろうか,思い切って相談のメールをしたところすぐにも返事をいただき,ほとんど三か月くらで仕上げていただいた(その間,校正も三回)。早くも拙著を手に入れることができたのである。自らの著書を手にすることは,人生にとって大切なものであると感じているが,その思いを少しでも一粒書房で実現できたこと,これにすぐる悦びはない。

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  • [ 著者の声寄稿者:河村敬一様 ]

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