市民社会のロゴス共同体のトポス
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2010年6月26日に山下 祐樹様が『市民社会のロゴス共同体のトポス』を自費出版されました。
サイズ | 四六版 |
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製本タイプ | ハードカバー |
発行年月日 | 2010年06月26日 初版発行 |
ページ数 | 173 |
著者 | 山下 祐樹 |
ISBNコード | 978-4-86431-000-0 |
市民社会のロゴス共同体のトポス
著者 山下 祐樹 様
二〇〇九年の暮れ、私はミュンヘンを訪れた。ノイエ・ピナコテークにおける絵画群と向き合った後、そこから徒歩で十数分の場所にあるミュンヘン大学の構内へと足を踏み入れた。その瞬間、私の脳裏に或る音楽の旋律が浮かび上がったのである。それは、一八七六年、カールスルーエで初演された後、直ぐにミュンヘンでも演奏されたブラームス交響曲第一番、その第四楽章における「歓喜」の響きであった。そしてそれは同時に、筆者が数年前、その交響曲を端緒として記し始めた共同体と市民社会についての探究である修士学位請求論文のことを想起させたのである。この瞬間から、本書の出版に向けた道程が開始されたといえよう。
本書は、その既存の変形建築物から、M・リーデル、J・エーレンベルク、G・デランティの論考に依拠した共同体・市民社会概念の歴史的系譜に関する部分を抽出し、追加修正したものである。それは、すなわち、共同体・市民社会とは何かという純粋な関心に基づき、市民社会の「概念(ロゴス)」の検討から、共同体の「場所(トポス)」の探索を行う作業であった。いわば、レチタティーヴォ(recitativo)―オペラの中で叙述的な独唱―のごとき考察方法を用いて。
私は、個人的な目標として、ベートーヴェンがピアノ・ソナタ第八番「悲愴」を作曲した年齢までに、何らかの著作を出版したいと考えていた。それを実現してくれた一粒社に感謝を申し上げたい。
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- [ 著者の声寄稿者:山下 祐樹(埼玉県) ]